トルコニュース

 

 

枠削減で日本に影響も 地中海の蓄養クロマグロ


 

 モロッコでの「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」の年次総会で
は、二〇〇九年以降のクロマグロ漁獲枠の削減幅が焦点。地中海では小型のクロ
マグロをいけすで約半年間太らせ、主に日本に輸出する「蓄養」が盛んだ。削減
の幅によっては日本での流通にも影響が出そうな蓄養クロマグロの生産現場を見
た。
 トルコ西部にある地中海沿岸のイズミル。小型船で沖に十分ほど進むと、地元
の蓄養会社が所有する九つのクロマグロ用のいけすがあった。深緑色の水面に目
を落とすと、陽の光を反射してギラリと光るクロマグロの背びれが見えた。二メー
トルを超える体長だ。
 地中海の蓄養では五―七月ごろに捕ったクロマグロを半年間程度いけすで太ら
せる。直径数十メートルのいけす一つに約百トンを飼育。一日二回、大量の冷凍
サバやイワシを与えている。
 同社幹部によると、いけすで育ったマグロはほぼすべてが日本向けに出荷され、
主に回転ずし店やスーパーで比較的安価なトロの材料として流通する。同社関係
者は「漁獲枠が削減されれば、日本で蓄養マグロが品薄になる可能性が高い」と
話す。
 蓄養をめぐっては、小型のクロマグロの漁獲量が十分に把握できていないこと
などから、「資源管理上の抜け穴」(水産庁)になっているとの批判が絶えない。
蓄養中にマグロが死ぬ率や成長率などのデータも公開されておらず、乱獲と資源
減少の一因になっているとされる。
 ICCAT総会に参加した自然保護団体のメンバーは「乱獲を引き起こした蓄
養の在り方を、消費国の日本を含めて考え直す時が来ている」と話した。(イズ
ミル共同=小玉原一郎)